木材業界の可能性

「森林大国」の日本

あまり知られていませんが、日本の森林面積は国土の3分の2に及び、森林率は経済協力開発機構加盟の37ヶ国で3番目に高く、世界全体でみると森林面積が減少傾向の中、日本は豊かな森林を維持しており「森林大国」と言われています。

「脱炭素社会」を目指す

日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「脱炭素社会」を目指すと世界に向けて宣言しました。
これは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から森林などによる「吸収量」の合計をゼロにすることを指しています。

しかし、現在の日本では、森林の二酸化炭素「吸収量」の減少が大きな課題となっています。
森林大国と言われる程、森林率が高い日本ですが、樹齢50年を超える成熟した木が大半を占めており、成熟すればするほど二酸化炭素の「吸収量」が減ってしまいます。
脱炭素化を進めるためには、成熟して吸収量の減った木を積極的に使い、空いた土地に新しく木を植える緑の循環が必要になってきます。

伐って、使って、植えて、育てる

脱炭素サイクルの仕組みを作ること、そして建材として木材の使用量を増やすことで炭素のストック率を上げることが可能です。
そのため、国や地方自治体そして各業界や組合もあらゆる建物への木材及び国産材の利用を支援する為に、新たな法律を施行したり色々な運動を立ち上げたりと、企業だけではなく、国家レベルで木材の利用を推進しています。

木材加工の消費エネルギー

木材を加工する時(合板製造時)に消費するエネルギーは、鋼材の1/38、アルミニウムの1/160であり、製造時の二酸化炭素排出量は、鋼材の1/34、アルミニウムの1/141とまさに環境にもやさしい素材です。

加工する時(合板製造時)の消費するエネルギー 製造時の二酸化炭素排出量

その他、木材は伐ってから住宅に使用した際にも炭素をストックしており、木造住宅が貯蔵している炭素のストック量は平均約6tにも及び、鉄筋コンクリートや鉄骨プレハブ住宅と比べると4倍にも値しています。

製造時の二酸化炭素排出量

日本のすべての住宅がストックしている炭素量は、日本の全森林がストックしている量の18%を占めており、第二の森林とも言われている程です。

積極的に木材を利用するという事は、
樹木・森林をイキイキとさせると共に、
地球温暖化の抑制にも大いに役立っています。

まとめ

このような現状と、世の中の流れは、木材業界にとって追い風になっています。
今ある製品の需要だけでなく、今後は、中高層ビルの建築に木材が多用化されたり、公共施設や非住宅施設にも木材が使われたりと、木材加工技術の開発にも新たな可能性が生じて来ているというのが、【木材産業】の現状です。

そんな中、太平製作所では常に時代を先読んだ 開発 にも力を入れています。

例えば、木造での中高層ビルが一般的になる前に、ビルを建築する時に必要となる部材を作る機械を開発したりと、
「独自の技術」と「開発力」で常に時代のイッポ先をイメージして新たな製品開発に力を入れております。

新たな製品開発